週刊少年チャンピオンで連載されて心の半ばで「未完」となった”鮫島、最後の十五日”
著者の見た感想としては「未完」ながらに完成した芸術作品のように感じました。

まず初めに「未完」とは物語途中で完結しないまま終わった作品になります。
佳境のところで作者が亡くなった場合、作者しか物語の最後を知りえない訳ですよね
その中で何故、”鮫島、最後の十五日”は未完ながらに”そう思うのか?”と言うのが今回の記事になります。
元々は「バチバチ」「バチバチBURST」の続編
最終章の位置づけになるのが「鮫島、最後の十五日」
この記事でまとめてること
鮫島、最後の十五日から読み解く「未完」ながらに走り切った追想
主人公と共に駆け抜けた作品
私はこの作品を通して感じたことがあります。
一言で表現するなら作者は主人公と共に駆け抜けた作品と捉えています。
バチバチの主人公:鮫島 鯉太郎 (さめじま こいたろう)は初期と比べて戦い成長し、最終章の最後の十五日では心身ともにたくましく育ちましたが、のちに肉体の負担や酷使して戦う状態へ
物語を読んでいる方なら分かる通り、彼は小柄で太りにくい体質の持ち主です。
それ故に、今まで戦った同期との戦い、そして引退の可能性
読んでいる私たちにもヒシヒシと感じるほど
毎回ドキドキの気持ち
鯉太郎は自分の体が持たないと言う思いを抱えながら必死に自分の体に鞭を打ちながら土俵に上がっていた姿はバチバチを当時リアルタイムで見ていた私はドキドキしていました。
そんな熱い相撲を見ながらも毎回、満身創痍で戦いを終えて灰のような燃え尽きる姿は最後はどうなるのだろうか?と心配になるくらいボロボロでした。
作品内のキャラ達と同じような気持ちだったんじゃないかなと思うくらい共感して読んでました。
それでも戦いの場に出た際の観客の声を見てると惹きつけられるのも彼の魅力でもありました。
突き動かされるハラハラ感
心配 × 成し遂げる 両天秤になるくらい表裏一体のような気持ちにさせられるくらいで惹きこまれ毎回応援したくなるんですよ
鯉太郎の戦いが終わり土俵を下りたあとの心境、これらの差があまりにも無情に感じる姿は応援したくもなり悲しくもなる、複雑な心境にもなりました。
戦い終わったあとの姿は真っ白に燃え尽きる姿も見てる側としても本当に大丈夫なのか?と思うくらい心配になる
戦いの果て最終的に”最後の十五日”では全勝で十三日目を全勝で乗り越え、十四日目の横綱・泡影(ほうえい)の取り組みが決まり顔合わせをした場面で未完となって終了
20巻未完
このように、初めの内は鯉太郎が戦いの中でメキメキと力を付けて葛藤がありながらも成長をしていく物語の構成でしたがバチバチBURSTから少しずつ変化が表れ
鮫島、最後の十五日に切り替わってから鯉太郎の肉体が持つかどうかの話に切り替わっています。
作者の佐藤タカヒロ氏が急死したことを考えて、主人公ともにお互いが終わりを迎えるかのように走っているようにも当時は感じました。
未完ゆえの始まりの終わり
本来、未完となった場合は作者にも考慮して作品にとやかく言うのは無粋と言うもの
ですが、実際の視聴者の意見としては完結してほしかった!というのも事実です。
震えるラスト1ページ
”鮫島、最後の十五日”のラストのページを見た方なら分かるかと思いますが、横綱・泡影との戦いがこれから始まるタイミングで終わっているので、まるで計ったかのようなキレイな終わり方にも見えました。
鯉太郎の一言「呼んだか?」は鳥肌が立ちました。
泡影に対してなんでしょうが、見てる我々の視聴者にも感じました。
確かに決着がついていないので今後の展開はどうなるんだ?
憶測や疑問が残るかもしれませんが、ここまでキレイに始まりとして終わった物語
そして主人公と作者が駆け抜けたようなストーリーがここまで儚くも神秘的な終わりを感じたのは不思議な感覚でした。
毎週読んできて感じた事
相撲と聞くと私の中では、そこまで魅力は感じられませんでしたが、バチバチを読んで
まさか自分がここまで物語を読み進められるとは思わなかったので、それだけ彼の物語に惹きこまれ夢中になった
週刊少年チャンピオンを毎週欠かさずリアルタイムでバチバチから最後の十五日まで読んでいました。
本来であればここまで読んだなら最後まで見たかった!というべきなんでしょうが、不思議と私はそういう気持ちはありませんでした。
満身創痍のすり減っていく肉体
日を追うごとに鯉太郎の体がボロボロに擦り切れながら戦いを制していく姿は勝利と共に失っていくものを感じていた矢先に作者の急死が伝えられました。
作者の佐藤タカヒロ氏も気づかない内に長年の蓄積で鯉太郎のように満身創痍で戦ってたんじゃないか?
そんな重なるような感覚を見て取れたので不思議と受け入れられたのです。
そして週刊少年チャンピオンの発売日、、、
締めくくりの鯉太郎の一言で終わっています。
意図した終わりに見えたラスト「未完」
最後の5ページで2ページ分まるまる使い横綱・泡影と対面、そして次のぺーじにて「呼んだか?」
泡影は少し笑みを浮かべながらラストのページで十四日目 鮫島-泡影と表記され終わっています。
あまりにもカッコよくキレイに終わりすぎて意図して終わらせたのか?と感じるくらい見事な未完でした。
当時、私と同じように読んでいた人も神秘的な終わり方に感動した方もいたかもしれませんし、終わった、、と思った方もいたでしょう
同時期に連載していた相撲マンガ
バチバチの鯉太郎が戦っていた週刊少年チャンピオンの裏で、もう一人の主人公が同じような境遇で戦ってた作品があります。
それが週刊少年ジャンプで連載していた火ノ丸相撲

この作品でもストーリーは違えど主人公の小柄と言う意味では鯉太郎と同じものを感じながらバチバチと並行して読んでいたので親近感と雑誌が別ながらもお互いを応援しながら読んでいました。
同じ時期に連載していたこともあり、雑誌は別だけど何処かで戦うスペシャルサンクス的なことは出来ないかな~なんて思い描いてたこともあります。
雑誌を飛び越えてやるのは一部の人気作品や例外など色々な事情が重なって出来上がるモノで当時は期待はしてませんでした。
イラストから感じる二つの闘志
バチバチの作者・佐藤タカヒロ氏が亡くなったことで火ノ丸相撲の作者・川田さんから嬉しいイラストがありました。
それは最終巻20巻に載せてる各マンガ家の著名人の方の色紙イラストの中に川田氏のイラストです。
その色紙の一枚絵には火ノ丸相撲の主人公:火ノ丸と鯉太郎がお互い見合っての夢の共演です。

私はハッキリ言って、このイラストと最後ラスト5ページだけでも見る価値のある作品だと自負しています。
それだけ衝撃を受けたラストであり夢の共演を果たした作品だと認識しています。
ゲームで言うなら泡影がラスボスなら火ノ丸が裏ボスくらいの存在というくらい大きな存在
バチバチと火ノ丸相撲はお互い体格に恵まれなかったりして困難に立ち向かう姿勢はまさに茨の道そのもの
身長や体重差がありながらも負け続け、ケガも常に付きまとい下手したら死ぬくらいの戦いの中、2人を共に見てる私たちに”諦めるな!”と行動で示してくれるのが心のヒシヒシと伝わって読み進められ最後まで読み進められた
主人公から見える熱さ
決して初めから強い人物では決してなく子供時代から根性と諦めない心の強さで突き進んで行く姿は見る者を惹きつけます。
なおかつ、これ以上進むと体が持たないという現実も見えてるのも視聴者を更に釘付けにする
胸を熱くさせる興奮が心突き動かされる
ボロボロの満身創痍になっていく姿、しかし鯉太郎の諦めない姿勢に応援せざる負えないくらい、コイツがどこまで突き進むんだ!と言わせられるくらいの熱さを持っているからこそ応援して見守りたくなります。
見る者に勇気を与えてくれるからこそ、私たちも現実を頑張ろうと思えますし
自分自身に対しても彼らのような生き様は、とてもカッコいい
初めのころのバチバチが懐かしいくらいです。
もしも続きが描かれていたら?【結末の続き予想】
もちろん読者としては主人公の鮫島には勝利してほしいです。
しかしながら横綱・泡影の圧倒的な実力を前に勝てるのか?
こういう構図は大好きなんですよね
考察してて思ったコト
もしも鮫島が負けたらパターン
物語がクライマックスの時に横綱・泡影にも本気を出させたけど逆転狙えず負けると言う可能性も、やはりぬぐい切れないんですよね
その際に鮫島が土俵の試合としては負けたけど、泡影自身がそうだと思わなかった場合は?
確かに試合としては決着して泡影は勝利したとしても本人は何処か心の部分で負けたと感じた瞬間や納得がいかなかったら?
試合には負けたけど勝負には勝った。
圧倒的な実力を覆すほど、そして泡影の心まで突き動かすくらいまで鬼気迫る思いをぶつけながら何度も勝つ姿が見えないにも関わらず、あの手この手を尽くして攻撃をする
鮫島自身はこの試合が終わったら燃え尽きる覚悟で常に挑んでます。
はたや泡影は実力を出し切っていない状態の両者相まみえるこの試合は、いかに泡影を本気にさせ勝負とはなんぞや?と考えさせられるシーン展開が描かれたんじゃないか?
泡影が本気にさせるキッカケになるとしたら、鮫島自身がもう体力の限界で倒れる、、と言う所で過去のシーン回想、今まで戦ってきた力士たち
そして無念にも引退した仲間たちの思いを込めて怒涛のラッシュで泡影の心に火を付けた瞬間だと思います。
その瞬間、泡影は自然と笑って戦いを楽しむかのようなそんなシーンが描かれるんじゃないかなと思わず想像
だからこそ今まで出会った中で最高の相手と呼ぶべき相応しい存在にまで昇格した存在になったんじゃないかなと
また戦いたいと思わせるラスト..
そんな鮫島の中で本気にさせ泡影に負けてしまったが何処か清々しい気分を味わっている、泡影は本気を出したはずなのに、また戦いたいと思わせられる
だけども満身創痍で戦った鮫島は今後戦えないんじゃないか?と悔しさなど様々な感情が入り混じるんじゃないか
それでも互いが最高のライバルであったことは変わりがないと言う展開は胸熱ですよね
もしも鮫島が勝利したら
シーンは上記と同じ展開ですが鮫島の心の声と戦いの場面が合わさりながらストーリー展開されたら興奮するなと思いました。
鮫島の闘いの中で怒涛ながら徐々に洗練されて泡影を本気にさせて行く、その中でも鮫島は相手との力量の違いが分からないなんてことは絶対にありません
計り知れない相手だからこそ挑む価値があり燃える!それが鮫島!
やはり自らも泡影との実力差を感じています。
体格、実力、圧倒的な天才肌、、
どれを取っても勝ち目はないと思います。
が!
確かに完璧に思える人物も思わぬ展開や予期せぬ事が起きれば状況も変わり形勢も変わります。
試合は何があるか分からないから面白い!
もし土俵で滑ったり、脚に急に力が入らなくなったら?戦いをしていると夢中になり目の前の事に集中しやすくなります。
その中でいつの間にか体力を削られたり、力を入れる場所が不安定になったりなど様々な状況化が起きます。
泡影は確かに完璧で鮫島より遥かに強いです。
鮫島はそんな彼を本気にさせ、地形や状況すらも味方にして、より自信を洗練させ
まるで人体の限界を超えたゾーンを突破する
そして
小さな糸口になる瞬間を見つけて畳みかけて勝利するんじゃないかなと思います。
燃やし続ける闘志!限界の先は「ゾーン」へと..
運は実力と言う言葉があるように一貫として貫く鮫島の戦闘スタイルの中で戦いの火が消えようとしてる中でも、より洗練され最後の瞬間まで火を燃やし続け
誰よりも相撲を本気で向き合ってきたからこその集中力が一瞬を見逃さず、限界の先ゾーンの世界に入り込む
冷静に隙というに至らないかもしれないが、彼にとっては好機となる瞬間を見いだし泡影に勝利するんじゃないか!?
そんな勝利の瞬間も私の中では感じました。
あくまでここまでの負け・勝利は私の妄想でしかありませんが、同じように考察している方がいたら話を聞いてみたいものですね
まとめ:鮫島は我々、読者に熱いメッセージをくれた作品である
鯉太郎と作者への駆け抜ける生き様、そして火ノ丸相撲
泡影とラストの考察
興奮しましたね!こういう熱い戦いをみると自分自身も鍛えたくなってしまいます。
鯉太郎の成長から葛藤へ
一直線に向かいながらも挫折やケガなどに耐えながら突き進んで行く姿は漢として見てる側も惹きつけられ
我々、読者を奮い立たせてくれ力強さを感じさせる作品です。
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最後に
未完ながらに主人公の鯉太郎と共に駆け抜けた作者の佐藤タカヒロ氏に感謝したいです。
心半ばで倒れたかと思いますが、未完なのに終わり方が想像書き立てられるような〆は狙ったようにも感じるくらいカッコいいです。
この対決の、その先は火ノ丸と戦うのか?笑
なんて想像するのも私たちが楽しめる余地があると考えると面白いですよね
改めて鮫島、最後十五日を見返すと発見があるかもしれません
同じチャンピオン作品のパロディ漫画:刃牙外伝 列海王の記事もまとめてます。
今回はここまでです。
とても素敵でカッコいい作品なので是非読んでね!(@CodeCrystal)よろしくね

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