測量士を独学で目指そうと考えている人に向けた解説となっています。これから始める初心者や既に経験としてはあるという人にも合わせてまとめました。
測量士の試験会場については「国土交通省・国土地理院」で確認してください。
この記事でまとめていること
【独学】測量士の勉強方法

測量士は独学で合格は可能
測量士は試験に合格すれば、測量士資格を取得できます。
受験資格や認定研修もありませんので独学でも十分に合格は可能。
測量士は測量士補に比べて、試験対策の市販テキストや参考書は少ないです。
理由としては、測量士の多くが「学校で測量科目を修了して実務経験を積み取得する人」と「測量士補の資格を取得した後に養成施設や学校で研修を受け取得する人」が多いためです。
その結果、あまり需要がないから独学で勉強するに学習環境は良くはありません。
測量士の試験の合格率は、18%前後で難関試験です。
合格率に関しては「国土地理院」で確認できます。
測量の専門的な知識から、高度な数学の知識が必要とされる試験内容は、独学で学習するには非常に厳しい道のりになります。
測量士補から挑戦して土台を作ってから、次の測量士試験にステップアップするのも一つの手です。
測量士補を取得した後、養成施設等で研修を受ける場合は基本的に全日のため、仕事をしながら取得を目指すことが難しいです。
仕事をしながら測量士を目指すのであれば、通信講座か独学を選ぶ選択肢となります。
独学で合格するために必要な学習時間
独学で測量士の合格を目指すのであれば、初心者や数学が苦手な人であれば「500時間は必要」です。
経験者や数学が得意な人であれば「100時間程度でも十分」ですが、学習方法によっても変わってきます。
測量士試験に必要な学習時間を概算で考えてみた場合、測量士試験は9科目から出題されます。
下記を参照
- 1科目20時間+α
- 全教科:基礎作り200時間
- 2時間半の試験:午前・午後1回5時間
- 解説の理解まで5時間:10年分「100時間」
- 演習問題:300〜500時間は見積もり
演習問題は苦手なものもモロモロ含めてザっとの計算です。
測量士試験は、出題範囲が広いので全てを暗記するのは難しい一方で、毎年決まって出題される問題や出題傾向があるため、ポイントを押さえれば、効率よく学習できます。
測量士補の資格を持っている人だとすぐに理解できるでしょう。
一方で、高校で数学を選択して学習してきた数学力「三角関数や微分」など最低限求められます。
理系で数学を得意な人であれば、計算問題も独学でも問題はないんですが、文系で数学が苦手な人だと、ハードルの高い試験となります。
基本的な数学力や、独学で合格を目指すために必要な学習時間は、大きく差が出てくるのは覚えておきたい。
独学で合格するための勉強のポイント
測量士の試験は範囲は広いが出題傾向があるので、頻出問題や計算問題でも数値が異なっているような問題も多く出題されます。
基礎を学んで土台ができたら、各科目を学習して「過去問10年分」を解き解説まで理解する。
合格基準の択一式28問中/最低16問の正答が必須です。
記述式は、必須科目と「基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量」の中から2科目を選択して解答します。
効率よく学習するためには、早い段階で選択科目を絞って学習することが大事です。
独学で合格するための勉強スケジュール
スケジュールは下記にまとめました。
測量士の勉強の必要な時間と目安期間です。
初心者の場合
- 勉強時間:500時間
- 勉強期間:半年~1年
- 平日5日:2時間
- 休日2日:8時間
- 1週間:計26時間
経験者の場合
- 勉強時間:300時間
- 勉強期間:3~6ヶ月
- 平日5日:2時間
- 休日2日:8時間
初心者が500時間確保するのであれば、1日2〜3時間ずつ勉強して6〜7ヶ月前の10月、11月頃。
初心者が測量士の試験にいきなり臨むとなると、勉強を始めるのは早いに越したことはありません。
必要な勉強時間は先述したように、最低500時間は確保すると慌てなくて済みます。
測量士補の資格を持っている人や、実務経験や学習経験がある人ならば3ヶ月で覚えることも可能です。
願書の受付は、試験開催の年の1月いっぱい、5月試験の合格発表か7月にあります。
独学で学習する参考サイト
測量士と測量士補を学習するためのWebサイトは、独学で学ぶのに役立つ情報が掲載されています。
測量士&測量士補試験対策WEBは測量士、測量士補を目指すための試験対策を掲載している合格支援サイトになります。
試験の詳細や〇×テスト以外にも、過去問が平成14年からまとめられて、解説も掲載されているのが非常に便利です。
日本測量協会のWebサイトは「過去問の解答解説。講習会のお知らせ」も掲示されています。
初心者が測量士を目指すのであれば、測量士補から覚えていくことは良いですね。
測量士補の知識を学べる学習サイトや、動画は比較的多いのでテキストを用意せずに学習することもできます。
その他に色々な最新情報も随時更新されているので、測量士を目指すのであれば「日本測量士協会」は確認しておくといいでしょう。
測量士を『独学・講座・通学』の比較

測量士を『独学・通信・通学』で学ぶ場合、【勉強時間・費用・メリット or デメリット】のポイントを比較してみます。
独学で勉強する場合
独学の場合は何より費用を抑えることが最大の魅力と言えます。
テキストと過去問を100〜500時間を効率よく学習することがポイントになってくるでしょう。
過去問はWEBから無料で手に入れることが可能なため、費用を抑え学習できます。
テキストを10,000円前後で購入して用意できますが、最新のテキストが毎年発行されているわけではないため、市販テキストが十分に充実しているとは言えないのが現状です。
自分のペースでコツコツと一人で学習を進めますが、質問できる相手がいなかったり、モチベーション低下など気持ちを保つのが困難な面がデメリットと言えます。
講座で勉強する場合
独学で勉強するより高額な費用が必要になってきますが、無駄なく効率よく学べるシステムになっているのが特徴です。
基本的に学習スタイルは独学と同様で自分のペースで進められます。
測量士を学習する中で「土地家屋検査士」も同時に学べるオンライン講座もあります。
ある意味、講座だからこそ最短ルートの合格コースを進められるので、通常と比べると理解しやすいポイントを押さえた効率的な学びが出来ると言えます。
通学で勉強する場合
測量士になれる科目を履修できる専門学校はありますが、全日制より夜間の方は少ないです。
- 1年で約100万円『入会金・授業料・教材費』
- 2年間で約200~300万円は必要
学費は高額になりますが、測量士だけではなく、同時に「一級建築施工管理技士・宅地建物取引士」など、他の資格も学習することが可能なのが大きいです。
学習サポートはもちろん万全で、卒業後の就職にも有利になるのが便利です。
高額な授業料の他には、通いたい学校で働きながら通えるカリキュラムがあるのかどうか、通学圏内の問題点もあります。
卒業後は、2〜3年の実務経験を経て「試験なしで資格取得」が出来るのがメリット高めです。
時間はかかりますが確実に資格を得ることができます。
通学・講座のどちらも選べる「東京法経学院」は様々なカリキュラムがあります。
測量士の『独学・通信・通学』で学習比較
測量士の学習比較を下記画像にまとめました。

通学で学習する場合、試験を受けなくても「確実に取得できます」が、時間も費用と両方共に掛かるので、本業をしながらはまず難しいです。
測量士以外の資格も勉強をして学びたいという思いや、時間と費用もある方なら通学も検討するのはありです。
独学 & 通信で学習する場合、仕事をしながらでも自分のペースで学習を進めることが可能でですので、試験に合格さえすれば、実務経験なしで資格取得できます。
費用が大幅に抑えられるのは独学が一番ですが、市販テキストがなかなか揃えられない大きなデメリットがあるのは忘れてはいけません。
効率よくポイントを押さえて学習して、短期で合格を目指すのであれば、講座学習は効率面も含め有効です。
測量士の試験と取得すると良い資格

測量士・測量士補試験についての案内は「こちらページ」で概要が確認できます。
測量士試験【合格率・難易度】
測量士の試験は年に1回行われています。
測量士の過去5年の受験者数と合格率は下記の通りです。
国土交通省.国土地理院
実施日 測量士試験 測量士補試験 午前
(択一式)午後
(記述式)受験者
(名)合格者
(名)合格率 (択一式) 受験者
(名)合格者
(名)合格率
令和4年5月15日
問題 解答一覧問題 解答例 解答用紙
3,194
460
14.4%
問題 解答一覧
12,556
5,540
44.1%
令和3年9月12日
問題 解答一覧※2
問題 解答例 解答用紙
2,773
498
18.0%問題 解答一覧
12,905
4,490
34.8%
令和2年11月22日問題 解答一覧 ※1
問題 解答例 解答用紙2,276
176
7.7%問題 解答一覧 10,361 3,138 30.3%
令和元年5月19日問題 解答一覧 問題 解答例 解答用紙
3,232
479
14.8%問題 解答一覧 13,764 4,924 35.8%
平成30年5月20日問題 解答一覧 問題 解答例 解答用紙 3,345 278 8.3% 問題 解答一覧 13,569 4,555 33.6%
測量士の試験は、幅広い試験範囲から専門的な知識を必要とし、高校レベルの数学力を求められる試験内容が求められるため、厳しい合格基準が設けられています。
合格率は低い時で8%を切ることもあるので、難関試験といえるでしょう。
測量士の受験資格
測量士の試験には受験資格は年齢や学歴、実務経験、資格など特にありません。
必要なのは測量学の専門的な知識と数学力になります。
受験資格としてのハードルが低いのが、挑戦しやすい部類でもありますが、やはり難関に変わりはありません。
高度な専門知識が必要になるので、初心者が挑戦する場合は測量士補から始めて翌年の測量士試験に臨むのが現実的です。
受験料は4,250円です。
測量士と一緒に取得を目指すといい資格
測量士とダブルライセンスで持つと良い資格4選
- 土地家屋検査士
- 第三球陸上特殊無線技士
- 地理空間情報専門技術認定
- 技術士 (建築部門)
①土地家屋調査士 ※ 土地家屋調査士は、不動産登記のできる資格。
不動産登記のために測量を行うことから、測量士とは密接に関係している資格になるので測量士の有資格者は、土地家屋調査士試験の午前の部が免除されます。
個人事業や、自身が独立開業を目指すのであれば、確実に持つべき資格といえます。
②第三級陸上特殊無線技士 ※ 第三級陸上特殊無線技士は、簡単に言えばドローンの免許。
最近では、ドローンを測量として使用することが多く、測量の現場で役立つ資格です。
合格率も7〜8割と比較的「難易度は低い資格」なので、測量士試験に合格した人なら、まず間違いなく合格できるでしょう。
③地理空間情報専門技術認定 ※ 地理空間情報専門技術認定は、測量士の上位資格。
測量士の資格取得後「実務経験を経て受験資格が得られ」測量だけでなく、土木下水道など建設現場で幅広く活躍できる資格です。
④技術士 (建設部門) ※ 技術士は高度な科学技術の専門的な知識と現場経験もある総合的な技術コンサルタントをする国家資格。
様々な部門別に21種類ある中で、建設部門は都市開発や道路、河川、海洋他建設業全般を取り扱うプロフェッショナルになります。
技術士補の資格を取得した後、一次、二次試験の他、4~10年の長い実務経験も必要です。
測量士と合わせ持つことで、仕事の幅は飛躍的に広がりますが、取得に時間が掛かるので早めの行動が大事です。
まとめ:測量士で独学の合格は可能・ダブルライセンスはなおヨシ!
測量士の試験対策は、他の資格に比べて市販テキストや演習問題などが少ないのが現状です。
そのため過去問の取り組みを徹底したり頻出問題をチェックなど、苦手分野をなくす、択一式試験の点を稼ぐこと、選択問題は点の取れる科目を選ぶことが合格の道に繋がります。
独学で合格はするポイントはいかに効率よくポイントを押さえて理解力に繋げ学習することが大切になってきます。
しっかりと学習できれば独学でも十分に合格を目指せます。
初心者や数学が苦手な人はコツコツ学習を進めて積み上げていきましょう。
簡単な道ではないけど、しっかりと積み上げて行こう(@CodeCrystal)よろしくね
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